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セカンダリネームサーバー(セカンダリDNSサーバー)とは?

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今回は、DNSシステムにおける重要な要素である「セカンダリネームサーバー」について、その機能、必要性、および具体的な設定方法を解説いたします。

セカンダリネームサーバーとは?

セカンダリネームサーバー(スレーブサーバー)とは、マスターサーバー(プライマリネームサーバー)からゾーン情報を複製し、DNSクエリに対して応答する権威DNSサーバーです。

その主要な機能は以下の通りです。

  1. ゾーン転送によるデータ同期
  2. 権威DNSサーバーとしての応答
  3. システムの可用性向上

セカンダリネームサーバーの必要性

セカンダリネームサーバーの導入には、以下のような理由があります。

  1. 冗長性の確保:プライマリサーバーの障害時にも継続的なサービス提供が可能
  2. 負荷分散:DNSクエリの処理を複数のサーバーで分担
  3. 地理的分散:ネットワーク遅延の最小化と応答速度の向上

プライマリサーバーの設定例

以下に、BIND9を使用したセカンダリネームサーバーの設定例を示します。

プライマリサーバーの named.conf ファイルに以下のような記述を追加します。

zone "example.com" {
type master;
file "/etc/bind/zones/example.com.zone";
allow-transfer { 192.168.1.2; }; // セカンダリサーバーのIPアドレス
notify yes;
};

セカンダリサーバーの設定

セカンダリサーバーの named.conf ファイルには以下のように記述します。

zone "example.com" {
type slave;
file "/var/cache/bind/example.com.zone";
masters { 192.168.1.1; }; // プライマリサーバーのIPアドレス
};

これらの設定により、セカンダリサーバーはプライマリサーバーからゾーン情報を自動的に取得し、同期を維持します。

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レンタルサーバーでのセカンダリDNSサーバーの設定手順

一般的なレンタルサーバーでのセカンダリDNSサーバーの設定手順は以下のようになります。

  1. レンタルサーバー管理画面にログインします。
  2. DNSの設定画面に移動します。多くの場合「ドメイン設定」や「DNS設定」などの名称になっています。
  3. セカンダリDNS設定のセクションを探します。
  4. プライマリDNSサーバーのIPアドレスを入力する欄があるので、そこにプライマリサーバーのIPアドレスを入力します。
  5. ゾーン転送を許可するドメイン名を指定する欄があれば、そこに対象のドメイン名を入力します。
  6. 設定を保存します。

レンタルサーバーでのセカンダリサーバー設定例

セカンダリDNS設定:
プライマリDNSサーバーIP: 123.45.67.89
対象ドメイン: example.com

セカンダリサーバー設定の注意点

  1. プライマリDNSサーバー側で、セカンダリサーバーへのゾーン転送を許可する設定が必要です。
  2. プライマリサーバーのnamed.conf (BINDの場合)に以下のような設定を追加します。
zone "example.com" IN {
type master;
file "/var/named/example.com.zone";
allow-transfer {
[セカンダリサーバーのIPアドレス];
};
};
  1. セカンダリDNSの設定後、ドメインのネームサーバー設定にセカンダリDNSサーバーを追加する必要があります。
  2. 設定の反映には時間がかかる場合があります(最大48時間程度)。

レンタルサーバーによって具体的な設定画面や項目名が異なる場合がありますので、ご利用のサービスのマニュアルも併せてご確認ください。

まとめ

セカンダリネームサーバーは、DNSシステムの信頼性と可用性を向上させる重要な要素です。適切に設定・運用することで、システムの堅牢性が大幅に向上し、ユーザーに対して安定したサービスを提供することが可能となります。

DNSシステムの設計・運用に携わる技術者は、セカンダリネームサーバーの重要性を十分に理解し、適切な実装を行うことが求められます。

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