「移動中や外出先でも、PCの前にいるのと同じようにAIに仕事を任せたい」——そんな悩みを解決する新機能が、Anthropic社のClaudeに登場しました。その名も「Claude Dispatch(クロード ディスパッチ)」です。
この記事では、2026年3月に登場したClaude Dispatchについて、何ができるのか・どう設定するのか・料金はいくらかを、AI初心者の方でも迷わないように、やさしく解説します。
Claude Dispatchとは?スマホからPCのAIに仕事を投げられる新機能
Claude Dispatchとは、スマートフォンのClaudeアプリから、自宅や職場のPC上で動くClaudeに指示を送り、自動でタスクを実行させられる機能です。2026年3月17日にAnthropic社が発表しました。
従来のClaudeは、あくまで「PCの前に座って会話するAI」でした。しかしDispatchの登場により、Claudeは「外出先からスマホで指示を出せば、家のPCが勝手に働いてくれる遠隔アシスタント」へと進化しました。
たとえば、以下のような使い方が可能です。
- 通勤電車の中から「今日のカレンダー・未読メール・Slackメンションを要約して」と送る
- 移動中に「ダウンロードフォルダの請求書PDFをまとめて1つに結合して」と依頼する
- 朝ベッドの中から「昨日の売上データをExcelにまとめて」と指示する
スマホから指示を送ると、PC側のClaudeがローカルファイル・カレンダー・メール・Slackなどのアプリと連携しながら、実際の作業を進めてくれるのが最大の特徴です。
Claude Dispatchでできること:具体的な活用事例
Dispatchは、Claudeがすでに持っているCowork機能(PC上のファイルやアプリを操作できる機能)をベースに動きます。そのため、単なる文章生成にとどまらず、実際の業務作業まで自動化できるのが強みです。
1. 朝のブリーフィング自動化
「毎朝7時に、今日のカレンダー・未読メール・Slackの重要メッセージをまとめて要約を送って」と設定しておけば、通勤中にスマホで1日の全体像を把握できます。
2. 資料作成の自動化
「来週のクライアント向けプレゼン資料を、先月の実績データを元に作成して」と伝えるだけで、PowerPointファイルが自動生成されます。移動中に指示を出しておけば、帰宅する頃には初稿が完成しているというイメージです。
3. ファイル整理・データ集計
「デスクトップに散らばっている画像を、種類別にフォルダ分けして」「今月分の経費レシートをExcelに一覧化して」など、地味だが時間のかかる作業をDispatchに任せられます。
4. リサーチと要約
「AI業界の最新ニュースを3つの主要サイトから集めて、Wordにまとめて」と依頼すれば、PC側のClaudeがWeb検索と資料作成を並行して進めてくれます。
Claude Dispatchのセットアップ手順:わずか2分で完了
Dispatchの設定は驚くほど簡単で、APIキーの入力や複雑な設定は一切不要です。所要時間はおよそ90秒〜2分で完了します。
ステップ1:Claude Desktopを最新版にアップデート
macOSまたはWindows x64向けのClaude Desktopアプリを、最新バージョンに更新します。まだインストールしていない方は、Claude公式サイトからダウンロードしてください。
ステップ2:スマホ版Claudeアプリを最新版にアップデート
iOSはApp Store、AndroidはGoogle Playから、Claudeモバイルアプリを最新版にします。
ステップ3:デスクトップで「Cowork」→「Dispatch」を開く
Claude Desktopの左サイドバーから「Cowork」タブをクリックし、続いて「Dispatch」を選択します。「Get started」ボタンをクリックすると、セットアップウィザードが起動します。
ステップ4:必要な権限を許可する
「ファイルアクセス」と「Keep computer awake(PCのスリープ防止)」の2つのトグルをオンにします。これでPCがDispatchの指示を受け取れる状態になります。
ステップ5:スマホアプリでDispatchタブを開く
スマホのClaudeアプリを開くと、画面下部に新しく「Dispatch」タブが追加されています。ここからメッセージを送ると、PC側のCoworkに自動的に転送され、タスクが実行されます。
Claude Dispatchの料金と対応プラン
Dispatch自体は追加料金なしで利用できますが、対応する有料プランへの加入が必要です。2026年3月のリリース時点では、以下のプランで段階的に提供されています。
- Max 20xプラン(月額42,400円):先行対応
- Max 5xプラン(月額21,400円):先行対応
- Proプラン(月額3,400円):リリース数日後から順次対応
- Freeプラン:2026年後半の対応予定
個人利用や副業程度であればProプランで十分ですが、業務で本格的に使い倒したい方はMax 5x以上のプランが推奨されます。
Claude Dispatchを使う際の注意点
とても便利なDispatchですが、使う前に必ず知っておきたい注意点が3つあります。
1. PCを起動しっぱなしにする必要がある
Dispatchは、PC側のClaude Desktopアプリが起動している間だけ動作します。外出中にDispatchを使いたい場合は、PCの電源を入れたまま、Claude Desktopを開いた状態にしておく必要があります。
2. プロンプトインジェクションのリスクに注意
DispatchはClaudeがローカルファイルの読み書き・アプリ操作・データ送信までできる強力な機能です。Anthropic社も、信頼できるファイルとコネクタにのみアクセスを許可することを推奨しています。悪意ある指示が混入したファイルを読ませないよう、権限管理は慎重に行いましょう。
3. 現時点ではmacOS・Windows x64のみ対応
2026年7月現在、LinuxやChromeOS、ARM版Windowsには未対応です。今後の対応拡大に期待しましょう。
まとめ:Claude Dispatchで「スマホから仕事を任せる」時代へ
Claude Dispatchは、「AI=チャットで質問する相手」から「AI=自分の代わりに実務をこなすパートナー」へと、Claudeを大きく進化させる機能です。
スマホ1台で、外出先からPCの中の資料を整理したり、資料を作成したり、業務ブリーフィングを受け取ったりできる時代がすでに始まっています。設定は2分で終わり、ProプランならAI活用に慣れていない初心者でもすぐに導入可能です。
「もっと自分の時間を作りたい」「移動時間を有効活用したい」という方は、ぜひDispatchを試してみてください。あなたの働き方を大きく変えてくれるはずです。


