ハッシュ値とは?
「ハッシュ値」とは、ハッシュ関数を使用してデータを固定長の値に変換することで得られる値です。ハッシュ関数は、入力データの任意のサイズを受け取り、固定サイズの出力であるハッシュ値を計算します。
ハッシュ関数は、データの内容に基づいて計算されるため、入力データがわずかでも変更されると、異なるハッシュ値が生成されます。この性質は、ハッシュ値を一意の識別子として使用するために役立ちます。
ハッシュ値は、データの整合性や一意性を検証するために使用されることがあります。例えば、ファイルの内容が変更されていないかを確認するために、ファイルのハッシュ値を計算して比較することができます。もしも同じファイル内容であれば、同じハッシュ値が生成されるはずです。
ハッシュ値の具体例
いくつかの一般的なハッシュ関数の具体例を紹介します。
- MD5(Message Digest Algorithm 5)
- SHA-1(Secure Hash Algorithm 1)
- SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit)
- bcrypt
MD5(Message Digest Algorithm 5)
MD5(Message Digest Algorithm 5):MD5は、128ビットのハッシュ値を生成するハッシュ関数です。元々は暗号学的なハッシュ関数として開発されましたが、現在では主にデータの整合性チェックや指紋認証などの非暗号目的で使用されます。
ただし、MD5は衝突攻撃に対して脆弱であるとされ、セキュリティ目的での使用は推奨されません。
SHA-1(Secure Hash Algorithm 1)
SHA-1(Secure Hash Algorithm 1):SHA-1は、160ビットのハッシュ値を生成するハッシュ関数です。
以前は広く使用されていましたが、現在ではセキュリティ上の脆弱性が明らかになっており、推奨されていません。
SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit)
SHA-256(Secure Hash Algorithm 256-bit):SHA-256は、256ビットのハッシュ値を生成するハッシュ関数で、SHA-1の後継として開発されました。
SHA-256は現在広く使用されており、セキュリティ上の信頼性が高いとされています。
bcrypt
bcrypt:bcryptは、パスワードのハッシュ化に使用されるハッシュ関数です。元のパスワードとソルト(ランダムなデータ)を組み合わせてハッシュ化し、安全性を高めます。
bcryptは、計算に時間がかかるように設計されており、パスワードクラッキング攻撃に対して有効な防御手段となります。
const bcrypt = require('bcrypt');
const saltRounds = 10;
const myPlaintextPassword = 'my password';
// パスワードのハッシュ化
bcrypt.hash(myPlaintextPassword, saltRounds, function(err, hash) {
// Store hash in your password DB.
});
// ハッシュ化したパスワードと入力パスワードの比較
bcrypt.compare(myPlaintextPassword, hash, function(err, result) {
// result == true if the password matches, false otherwise
});
この例では、bcrypt.hash()
関数を使ってパスワードをハッシュ化しています。そして、bcrypt.compare()
関数を使って、元のパスワードとハッシュ化されたパスワードを比較しています。これにより、パスワードが正しく入力されたかどうかを確認することができます。
まとめ
これらは一部のハッシュ関数の具体例ですが、実際にはさまざまなハッシュ関数が存在します。
ハッシュ関数の選択は使用目的とセキュリティ要件に応じて慎重に行う必要があります。