- 「ヒーローズ・ジャーニー」とは
- 日常世界（Ordinary World）
- 冒険への呼びかけ（Call to Adventure）
- 拒否（Refusal of the Call）
- 賢者との出会い（Meeting with the Mentor）
- 第一の関門（Crossing the First Threshold）
- 試練、仲間、敵（Tests, Allies, and Enemies）
- 最も危険な試練（Approach to the Inmost Cave）
- 最大の試練（The Ordeal）
- 報酬（目的の達成）（Ordeal, Death, and Rebirth）
- 帰路（The Road Back）
- 復活（Resurrection）
- 帰還（Return with the Elixir）
- まとめ
「ヒーローズ・ジャーニー」とは
「ヒーローズ・ジャーニー」（Hero’s Journey）は、『千の顔を持つ英雄』（The Hero with a Thousand Faces）で提唱した物語構造の理論です。多くの神話や物語に共通する基本的なパターンが存在すると考えられました。
この構造は、主人公が冒険を通じて成長し、変容し、最終的に新たな力や知恵を得て帰還するというサイクルを描いています。
日常世界（Ordinary World）
- 主人公が冒険を始める前の日常生活が描かれます。
冒険の呼び声（Call to Adventure）
- 主人公が冒険に誘われる出来事が起こります。
呼び声の拒絶（Refusal of the Call）
- 主人公が冒険を恐れたり、拒否したりする場面があります。
賢者との出会い（Meeting with the Mentor）
- 主人公が助言者や指導者と出会い、冒険のための助けを得ます。
第一の門戸の超越（Crossing the First Threshold）
- 主人公が冒険の世界に足を踏み入れ、日常世界を離れます。
試練、仲間、敵（Tests, Allies, and Enemies）
- 主人公が新たな世界で試練に直面し、仲間を見つけ、敵と出会います。
最も危険な場所への接近（Approach to the Inmost Cave）
- 主人公が最大の危機や挑戦に向かって進みます。
最大の試練（The Ordeal）
- 主人公が命や大切なものをかけた最大の試練に挑みます。
報酬（The Reward）
- 主人公が試練を乗り越えた後に得られる成果や報酬を手に入れます。
帰路（The Road Back）
- 主人公が報酬を持って日常世界に戻ろうとしますが、新たな挑戦に直面することもあります。
復活（The Resurrection）
- 主人公が最終的な試練に直面し、変容や再生を経験します。
帰還とエリクサー（Return with the Elixir）
- 主人公が冒険から日常世界に戻り、得た知恵や力を他者と分かち合います。
以下に、「ヒーローズ・ジャーニー」の各段階を詳しく説明します。
日常世界（Ordinary World）
物語の主人公（ヒーロー）は、普通の生活を送っています。
これは読者がヒーローの現状や人間性を理解するための導入部分です。
ここで主人公の生活や問題が紹介され、読者は主人公に共感します。
冒険への呼びかけ（Call to Adventure）
ヒーローは何らかの形で冒険へ誘われます。
これが物語の動機づけとなり、ヒーローの旅が始まります。
冒険への呼びかけは、何か異常な出来事や危機、メッセージなどによってもたらされます。
拒否（Refusal of the Call）
ヒーローは最初、この冒険を拒否します。
恐怖や不安から逃げることを選ぶが、最終的には呼びかけに応じることになります。
この段階では、ヒーローの葛藤や内面的な抵抗が描かれます。
賢者との出会い（Meeting with the Mentor）
ヒーローは賢者（メンター）と出会い、助言や助けを得ます。
メンターは経験豊富な人物であり、ヒーローにとっての道しるべとなります。
メンターからの指導や贈り物がヒーローの冒険を支えます。
第一の関門（Crossing the First Threshold）
ヒーローは新しい世界に足を踏み入れ、最初の試練を迎えます。
これにより、日常から冒険の世界への移行が完了します。
この段階で、ヒーローは未知の世界に直面し、これまでの生活とは異なる挑戦に立ち向かいます。
試練、仲間、敵（Tests, Allies, and Enemies）
ヒーローは様々な試練に立ち向かい、仲間を得て、敵と戦います。
ここでの経験がヒーローを成長させます。
この段階では、友情や裏切り、挑戦などが描かれ、ヒーローのキャラクターが深まります。
最も危険な試練（Approach to the Inmost Cave）
ヒーローは物語のクライマックスにおいて、最も危険な試練に直面します。
これは大きな転換点となり、物語の緊張感を高めます。
この試練を通じて、ヒーローは最も深い恐怖や弱点と向き合います。
最大の試練（The Ordeal）
主人公が命や大切なものをかけた最大の試練に挑みます。
報酬（目的の達成）（Ordeal, Death, and Rebirth）
ヒーローは試練を乗り越え、報酬や目的を手に入れます。
これはヒーローの成長と変化を象徴します。
報酬は物理的な宝物や知恵、愛、和解など様々です。
帰路（The Road Back）
ヒーローは日常世界に戻る旅を始めます。
ここでの課題は新しい知識や力を持ち帰ることです。
帰路での挑戦や追跡者との戦いが物語の緊張感を保ちます。
復活（Resurrection）
ヒーローは最後の試練を迎え、変容して復活します。
これはヒーローの最終的な成長と変化を示します。
この段階では、ヒーローは死と再生の象徴的な経験を通じて、より強く、より知恵深くなります。
帰還（Return with the Elixir）
ヒーローは変わった自分とともに日常世界に戻り、物語が完結します。
ここで得たものがコミュニティにとっての恩恵となります。
ヒーローは得た知恵や力を共有し、世界に変革をもたらします。
まとめ
「ヒーローズ・ジャーニー」は、古代の神話から現代の映画まで、多くの物語に共通する普遍的なパターンです。
このパターンを理解することで、物語の構造やキャラクターの成長をより深く理解することができます。
