HSBの基本構成
- Hue(色相)
赤、黄、緑、青など、色そのものの種類を表す要素。角度(0°〜360°)で指定されます。 - Saturation(彩度)
色の鮮やかさ。100%が最も純度の高い(鮮やかな)色。0%では無彩色(白または灰)に近づきます。 - Brightness(明度)
色の明るさ。100%では最も明るく、0%になると黒になります。

HSBとHSL(色相・彩度・輝度)の違い
基本構造の違い
- HSB(HSV)
サイドは円筒(円錐)形で、上部が明るく、下部が暗い。彩度は中心から外へ。 - HSL
上下が白と黒で、中央が中間灰(50%輝度)。彩度は中央から外へ。双円錐(二重円錐)として表されます。
黒と白の扱いの違い
- HSB:
- 明度0% → 黒(彩度・色相に関係なし)
- 明度100%かつ彩度0 → 白(色相に関係なし)
→ 黒と白は対でもなく、明度の変化のみで行き来できません。
- HSL:
- 輝度0% → 黒
- 輝度100% → 白
→ 白と黒は完全に対比されます。
明度 vs 輝度(Brightness vs Lightness)
- HSBの明度:RGB成分の最大値(または平均)により、色の明るさを単純に示します。
- HSLの輝度:白と黒の混合のバランスを考慮した明るさ。50%で最も鮮やかな色になります。
HSB(HSV)とHSLの比較まとめ
| モデル | 黒への到達 | 白への到達 | 彩度の基準 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| HSB / HSV | 明度0%で黒 | 明度100%かつ彩度0で白 | 彩度0 = 白に近い | 直感的な明るさ調整がしやすい、写真編集に向く |
| HSL | 輝度0%で黒 | 輝度100%で白 | 彩度0 = 中間灰 | CSS対応でweb制作に適す、グレー調が自然に表現できる |
用途に応じた選び方
- UIデザインや写真編集では、「明るさを直感的に操作できる」HSBが好まれます。
- Web開発(CSS)では、HSLが標準として使われやすく、グレーやトーンの操作が想定しやすいモデルです。
補足:HSBとHSVは同じ?
HSB(Brightness)とHSV(Value)は呼び方の違いだけで、色空間としては同じものを指します。
まとめ
HSB(色相・彩度・明度)は、明るさの調整が直感的で、デザイン作業に便利な色モデルです。HSL(色相・彩度・輝度)は、白と黒のバランスの操作が明快で、webやCSSとの親和性が高い色モデルです。用途に合わせて選ぶことで、色調整の効率と精度が向上します。


