AI(人工知能)や機械学習に興味はあるけれど、どのライブラリを使えばいいのか分からない…。
そんな方に向けて、今回は「機械学習の定番ライブラリ3選」を紹介します。
Pythonでの機械学習開発を効率的に行うためには、用途に合ったライブラリを選ぶことが重要です。
分類・回帰・クラスタリングといった基本的な処理から、ディープラーニングによる高度な処理までカバーできるライブラリを押さえておきましょう。
scikit-learn(サイキットラーン)
Pythonで機械学習を始めるなら、まずはこのライブラリ。
scikit-learnは、以下のような基本的なアルゴリズムが網羅されている万能ライブラリです。
- 回帰(線形回帰、リッジ回帰など)
- 分類(SVM、決定木、ランダムフォレストなど)
- クラスタリング(K-means、DBSCANなど)
- 次元削減(PCAなど)
- モデル評価(クロスバリデーション、スコアリング)
コードがシンプルで読みやすいため、初心者でも学習しやすいのが特徴です。
また、データの前処理(正規化やカテゴリ変数の処理)も豊富に揃っているため、実務でもよく使われています。
TensorFlow(テンソルフロー)
Googleが開発したオープンソースのディープラーニングライブラリです。
画像認識、音声認識、自然言語処理といった複雑なAIモデルを構築することができます。
TensorFlowの魅力は次の点です。
- 大規模なニューラルネットワークに対応
- モデルを可視化できるTensorBoardが使える
- GPU/TPUでの高速処理が可能
- モバイル(TensorFlow Lite)やWeb(TensorFlow.js)展開も可能
初心者向けには「Keras」という高レベルAPIも用意されており、比較的手軽にモデルを構築できます。
PyTorch(パイトーチ)
Facebookが開発したディープラーニングライブラリで、研究用途から商用プロダクトまで広く使われています。
TensorFlowと双璧をなす存在で、柔軟性が高く、Pythonライクな書き方ができるため、近年人気が高まっています。
PyTorchの特徴は次の通りです。
- 動的計算グラフ(処理の流れが直感的)
- モデルのデバッグがしやすい
- 学習途中での条件分岐が簡単
- Hugging FaceやOpenAIのモデルとの相性が良い
自然言語処理の分野では特に強く、BERTやGPTなどのモデルを活用したい方には特におすすめです。
まとめ
ライブラリ名 | 主な用途 | 特徴 | おすすめレベル |
---|---|---|---|
scikit-learn | 機械学習の基礎(分類・回帰・クラスタリング) | シンプルで分かりやすい | 初心者〜中級者 |
TensorFlow | ディープラーニング全般 | 商用展開・高速処理向き | 中級者〜上級者 |
PyTorch | ディープラーニング(特にNLP) | 柔軟でデバッグしやすい | 中級者〜研究者向け |
自分の目的とスキルレベルに合ったライブラリを選ぶことで、学習効率が大きく変わります。
まずはscikit-learnで基礎を固めてから、TensorFlowやPyTorchに進むのが王道です。